飾らないで
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「今度、二人でどこか行かない?」
ベッドで寝そべっていた私は、メールの画面を見て勢い良く起き上がった。
こ、これって…デートのお誘い…だよね…?
木暮先輩と知り合ったのは、友だちの彩子ちゃんがキッカケだった。久しぶりに彩子ちゃんの部活が休みということで、二人で出掛けていた。カフェのテラス席でランチを食べていると、優しそうな男の人が彩子ちゃんに話しかけてきた。
その人は彩子ちゃんの部活の先輩で、たまたま通りかかって声をかけたそうだ。色々話していると、木暮先輩もお昼がまだということで、そのまま一緒にランチをすることになった。
見た目通り優しくて、気が回って、大人っぽくて、笑顔が素敵な人だなと思った。その日はせっかくだからということで連絡先を交換し、カフェで木暮先輩とは別れ、彩子ちゃんとめちゃくちゃ遊んでから家に帰った。
家に帰るとメールが着ていることに気が付いた。木暮先輩からだった。
「木暮です。メール送れるか試してみました。今日はランチにお邪魔しちゃって、ゴメンね。いつでも気軽にメールしてね!」
メールの文面からも、先輩の優しい人柄が伝わってくるようだった。私は早速、返信をした。
『こんばんは!メールちゃんと届いてますよっ!ランチご一緒できて楽しかったです。お気遣いありがとうございます★』
こんな感じで良いかな…とソワソワしていると、すぐに先輩からまた返信がきた。
「返信ありがとう。それにしても美味しいお店だったよね。やっぱ女子はよく知ってるんだなぁ。今度は他のメニューも食べてみたいな。」
思わず顔がニヤけてしまう。先輩とのメールのやりとりは、何だか心がぽかぽかする穏やかな時間をくれた。
それから木暮先輩とのメールはほとんど途切れること無く、気付けばもう2ヶ月が経っていた。そんなある日、木暮先輩からあのお誘いメールが届いたのだ。
この2ヶ月の間、学校で見掛けたら会釈する程度で、面と向かって会話なんてほとんどしていない。メールでは気張らずに話すことができるけれど、実際話す、しかも二人で休日に出掛けるだなんて……
何を話せば良い?
何を着て行けば良い?
メイクってどのくらいして行くものなの?
私はメールの画面を何度も見返しては、ベッドの上を何度もゴロゴロしまくっていた。
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