Oath Earrings
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「よし、できた。もう落とすなよ」
『……っ…目、閉じる必要ないじゃんっ…』
「ん?あぁ、確かにそうだな……何かされると思ったか?」
牧くんは少しイタズラっぽく笑った。きっと私の考えていることなんて、お見通しなのだろう。
『もう…からかわな……』
言いかけのところで、ゴーンとチャペルのベルが鳴り、遮られた。
私たちは思わず、音のする方を見る。
ベルが揺れ、低く重たい、でも何か心地良い音が鳴り響く。
「何だか、俺たちの結婚式みたいだな。さっきのは誓いのイヤリングだな」
牧くんは私の腕を掴んだまま立ち上がり、つけてくれたイヤリングを指で揺らした。
『そ、そういうのは彼女とか、好きな子に言いなよっ』
「だから言ってるだろ」
『え…?』
「俺は名字がずっと好きだったけど、言えずに卒業してしまって後悔してたんだ。まさか今日ここで再会できるだなんて…これはもう言うしかない状況だろう?」
ウソ……あの牧くんが私を…?
突然の出来事に頭がついていかない。
「今すぐどうこうしなくて良い。また時間を作って会ってくれないか?」
ここで初めて、牧くんは照れくさそうな顔をしていた。私は思わず吹き出してしまう。
あんな風にイヤリングをつける方が、よっぽど恥ずかしいはずなのに。
こんなに素敵な再会ができたのだから、ほぼ初対面の新婦に感謝しなきゃ。
もしこれから先、本当に私が牧くんに誓いの指輪をはめて貰う時がきたら、その時は私も招待してあげよう。
そう思うと、新婦の言動は幸せに満ちている故のことだと思えるようになった。
『私、牧くんがサーフィンしてるところ、見てみたいな』
おわり
あとがき→