Oath Earrings
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「新郎新婦のお色直しが終わりました。拍手でお迎え下さい!」
〝いかにも〟な音楽に合わせて扉が開き、お色直しをした新郎新婦が登場した。新婦のドレスはレインボーカラーだった。30代後半でそれはちょっとキツくないか…?と思いながら、私はパチパチと拍手をしていた。
今日は親戚の結婚式に出席している。と言ってもほとんど付き合いの無かった親戚で、新郎側の招待客が多いことから、人数合わせで呼ばれたのだろう。私はほぼ初対面である新婦の親族席に座り、料理とお酒を楽しむことに専念していた。しかし何だか痛々しい新婦の言動を見ていると、この席に座っていることが凄く恥ずかくなってきたところだった。
「暫く御歓談下さい」
やっと席を立つことができる。私は会場を出た先にあるテラスに出た。夜風が程よく冷たくて気持ち良い。
何か飲み物が欲しい…そう思い、式場のスタッフを探していると、スッと目の前にゴールドに輝くシャンパンが出てきた。
「名字…久しぶり」
『ま、牧くん…?』
シャンパンを渡してきたのは、高校の同級生の牧くんだった。
牧くんは全国トップレベルのバスケ部キャプテンで、でも気取っていなくて、大人っぽくて、笑うと実はちょっとかわいい、そんな人だ。当時、好きとまではいかなかったけど、少し憧れていた存在だった。
「久しぶりだな。座席表見て知った名前があったから驚いたよ。名字が立ち上がったから、俺も出てきたんだ」
『えっ…ゴメン。全然気が付かなくて…。卒業以来だよね?大学はどう?』
「まぁ、それなりにやってるよ。やっぱり高校とは一味違うけどな」
優しく微笑む牧くんは、あの頃よりさらに大人っぽくなっていた。スーツを着ているから余計にそう見えるのだろうか。
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