青い夏の日だった
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季節は冬になった。凍てつく寒さがあの哀しい目のように俺の心と身体を突き刺し、傷跡が疼くような落ち着かない日々が続いた。
部活が終わり部室を出ると、マネージャーの名前が壁にもたれ掛かって立っていた。
『お疲れ様です』
「おう。誰か待っとんのか?」
『南先輩です』
「俺?」
『一緒に帰りませんか』
少し恥ずかしそうに目線だけ俺に向けながらそう言う姿が、小さい子どもみたいだと思った。特に断る理由も無かったため、俺は名前と帰ることにした。
キャプテンになった最近は名前が隣りに立つことが多くなったが、こうして2人だけだと何だかこそばゆい。チラリと目線をやると、俺の高さからはつむじが見える。そこに惹かれる何かが集まっているような気がして、妙に愛らしかった。
『南先輩、最近何か変ですよね。特に選抜が終わってから…』
俺の方を見ずに、名前は前を見たままそう言った。今日まで誰にも気付かれていないつもりだった。もしかして言わないだけて周りも気付いているのだろうか。
『大丈夫です。先輩は間違って無いです』
「……もし、間違っとったら?」
『その時は、私が責任取ります』
「責任?」
『間違いだらけの先輩と一緒に、死ぬ、とか?』
予想もしない言葉に、俺は唖然とした。
「お前…妙なこと言うなや」
『それくらい本気ってことですやん』
名前はこちらを見て、優しく微笑んでいた。全てを見透かしているような、縋り付いてしまいそうな、そんな表情だった。
それから3年になり、インターハイ予選が始まった。俺たちは〝勝つためなら〟を口癖のように唱え、キタナイやり方でインターハイ出場を決めた。
試合の度に、心が激しい雨に打たれたようにびしょ濡れになった。もっと深く暗い闇に蝕まれそうになる。それでも、ラン&ガンで優勝するという誓いを噛み締めることで、何とかギリギリの希望を保っていた。
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部活が終わり部室を出ると、マネージャーの名前が壁にもたれ掛かって立っていた。
『お疲れ様です』
「おう。誰か待っとんのか?」
『南先輩です』
「俺?」
『一緒に帰りませんか』
少し恥ずかしそうに目線だけ俺に向けながらそう言う姿が、小さい子どもみたいだと思った。特に断る理由も無かったため、俺は名前と帰ることにした。
キャプテンになった最近は名前が隣りに立つことが多くなったが、こうして2人だけだと何だかこそばゆい。チラリと目線をやると、俺の高さからはつむじが見える。そこに惹かれる何かが集まっているような気がして、妙に愛らしかった。
『南先輩、最近何か変ですよね。特に選抜が終わってから…』
俺の方を見ずに、名前は前を見たままそう言った。今日まで誰にも気付かれていないつもりだった。もしかして言わないだけて周りも気付いているのだろうか。
『大丈夫です。先輩は間違って無いです』
「……もし、間違っとったら?」
『その時は、私が責任取ります』
「責任?」
『間違いだらけの先輩と一緒に、死ぬ、とか?』
予想もしない言葉に、俺は唖然とした。
「お前…妙なこと言うなや」
『それくらい本気ってことですやん』
名前はこちらを見て、優しく微笑んでいた。全てを見透かしているような、縋り付いてしまいそうな、そんな表情だった。
それから3年になり、インターハイ予選が始まった。俺たちは〝勝つためなら〟を口癖のように唱え、キタナイやり方でインターハイ出場を決めた。
試合の度に、心が激しい雨に打たれたようにびしょ濡れになった。もっと深く暗い闇に蝕まれそうになる。それでも、ラン&ガンで優勝するという誓いを噛み締めることで、何とかギリギリの希望を保っていた。
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