ラピスラズリの向こう側
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
インターハイが終わった。
まさかの緒戦敗退……北野さんと再会できたのは嬉しかったが、やはり悔いは残った。
気持ちにぽっかり穴が空くと、岸本は急に名前を思い出した。インターハイが終わり、落ち着いたら連絡して欲しいと言われていたのだ。
まだ試合が終わったばかりの会場にいて決して落ち着いてはいなかったが、岸本はやり場のない虚無感を埋めたい気持ちで名前にメールを打った。すると、すぐに返信が来た。
〝あの絵、コンクールに出しました。〟
画像が添付されており、そこには瑠璃色をベースに鮮やかに色付けられた岸本の横顔が描かれていた。哀しいような、ぼんやりしているような、何とも言えない感情が滲み出ている。名前はこんな世界を生きているのかと、岸本はただ素直に感動した。
絵の下にタイトルらしき物が掲示されている。画像を拡大してその部分を見た岸本は、大きな目を見開く。
タイトル:「嫉妬」
私も彼の〝願掛け人〟になって、こんな顔をさせてみたい。
岸本は急に立ち上がり、ズンズンと歩き出した。
「岸本さん…?どないしはったんですか?」
「帰るで、大阪に!」
「えっ…」
「見たいモンがあんねん」
君の目に映る世界をもっと見せて欲しい。
いつかこの目で見ることができたなら、その時は──
おわり
あとがき→
まさかの緒戦敗退……北野さんと再会できたのは嬉しかったが、やはり悔いは残った。
気持ちにぽっかり穴が空くと、岸本は急に名前を思い出した。インターハイが終わり、落ち着いたら連絡して欲しいと言われていたのだ。
まだ試合が終わったばかりの会場にいて決して落ち着いてはいなかったが、岸本はやり場のない虚無感を埋めたい気持ちで名前にメールを打った。すると、すぐに返信が来た。
〝あの絵、コンクールに出しました。〟
画像が添付されており、そこには瑠璃色をベースに鮮やかに色付けられた岸本の横顔が描かれていた。哀しいような、ぼんやりしているような、何とも言えない感情が滲み出ている。名前はこんな世界を生きているのかと、岸本はただ素直に感動した。
絵の下にタイトルらしき物が掲示されている。画像を拡大してその部分を見た岸本は、大きな目を見開く。
タイトル:「嫉妬」
私も彼の〝願掛け人〟になって、こんな顔をさせてみたい。
岸本は急に立ち上がり、ズンズンと歩き出した。
「岸本さん…?どないしはったんですか?」
「帰るで、大阪に!」
「えっ…」
「見たいモンがあんねん」
君の目に映る世界をもっと見せて欲しい。
いつかこの目で見ることができたなら、その時は──
おわり
あとがき→