Through the Glass
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月日は流れ、8月半ばになった。
今日、木暮先輩は部活を引退するらしい。
夏休みだったけれど、私は何となく図書室に来ていた。この窓から先輩とアイコンタクトすることはもう出来ない。これで木暮先輩と話す口実が無くなってしまう。私は手首のリストバンドをギュッと握り締めた。
すると、誰もいない図書室のドアがガラリと開いた。振り返ると、そこに立っていたのは木暮先輩だった。
『木暮先輩…え、な、何でここに?』
「外から見えたんだ。名字さんがいつもここから送ってくれるメッセージが凄く嬉しかったから、お礼を言いたくて」
少し照れくさそうに言いながら、木暮先輩は私の隣りに立った。
「俺からもメッセージ送ってたんだけど、気付いてた?」
『えっ…嘘…気付かなかったです…』
「ハハ…やっぱそうか。最近、何のTシャツ着てたか覚えてる?」
『西瓜と胡瓜ですよね?え、瓜が共通だから…』
「あ、ホントだ漢字で書くと瓜が共通してるね。ごめん、頭文字だけで良いんだ」
『す、き……えぇっ!!』
「そう、好きなんだ。やっと伝わった」
こんな少女漫画みたいなことが自分に起こるだなんて、想像もできなかった。私を見つめる木暮先輩の目があまりにも澄んでいて吸い込まれそうになり、これまで読んだどんな漫画のヒーローよりも胸をドキドキさせた。
『わ、私も好き…です』
「…嬉しいよ」
もしかしたら最初からTシャツじゃなくて、先輩自身に惹かれていたのかもしれない。
グアムのお土産が、私たちを結びつけてくれたのかな…。
いつか一緒にグアムに行って、先輩がどんなTシャツを選ぶのか隣りで見たい。
私の小さな夢ができた。
(桜木には感謝しないとな)
(…あ!桜木くん!そっか!そうですよね!)
(あいつはホント、凄い奴なんだ。インターハイでさ…)
おわり
あとがき→
今日、木暮先輩は部活を引退するらしい。
夏休みだったけれど、私は何となく図書室に来ていた。この窓から先輩とアイコンタクトすることはもう出来ない。これで木暮先輩と話す口実が無くなってしまう。私は手首のリストバンドをギュッと握り締めた。
すると、誰もいない図書室のドアがガラリと開いた。振り返ると、そこに立っていたのは木暮先輩だった。
『木暮先輩…え、な、何でここに?』
「外から見えたんだ。名字さんがいつもここから送ってくれるメッセージが凄く嬉しかったから、お礼を言いたくて」
少し照れくさそうに言いながら、木暮先輩は私の隣りに立った。
「俺からもメッセージ送ってたんだけど、気付いてた?」
『えっ…嘘…気付かなかったです…』
「ハハ…やっぱそうか。最近、何のTシャツ着てたか覚えてる?」
『西瓜と胡瓜ですよね?え、瓜が共通だから…』
「あ、ホントだ漢字で書くと瓜が共通してるね。ごめん、頭文字だけで良いんだ」
『す、き……えぇっ!!』
「そう、好きなんだ。やっと伝わった」
こんな少女漫画みたいなことが自分に起こるだなんて、想像もできなかった。私を見つめる木暮先輩の目があまりにも澄んでいて吸い込まれそうになり、これまで読んだどんな漫画のヒーローよりも胸をドキドキさせた。
『わ、私も好き…です』
「…嬉しいよ」
もしかしたら最初からTシャツじゃなくて、先輩自身に惹かれていたのかもしれない。
グアムのお土産が、私たちを結びつけてくれたのかな…。
いつか一緒にグアムに行って、先輩がどんなTシャツを選ぶのか隣りで見たい。
私の小さな夢ができた。
(桜木には感謝しないとな)
(…あ!桜木くん!そっか!そうですよね!)
(あいつはホント、凄い奴なんだ。インターハイでさ…)
おわり
あとがき→