Through the Glass
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それからというもの、私はリストバンドをつけて登校するようになった。通路や玄関で見かけるものの、彼は全く気付いていないようだった。
そもそもリストバンドなんて間近で見なければ分からないだろう…そう思いながら登校し、靴を履き替えていると視線を感じた。見ると同じクラスの桜木くんが、こちらをじーっと見ながら近付いてきた。
「名字さん、そのリストバンド……あ!おーい!メガネくん!ちょっとコレ見てくれ!」
桜木くんは突然大きな声で叫び、遠くの方へ手を振っている。すると〝メガネくん〟と呼ばれた人がこちらに近付いてきた。
いつも見ていたあの人だった。
「桜木、おはよう。朝から元気だな…あれ?これって…」
「メガネくん、これと同じTシャツ持ってるだろ?ペアだな!ペア!…はっ!まさか2人は恋人同士…?」
『ちょ…桜木くん!先輩に失礼でしょ!!』
「これグアムのだよね?これが被るなんてなかなか珍しいことじゃない?」
初めて間近でその柔らかい笑顔を見た瞬間、私の中に電流が走った。これが私の恋の始まりだった。
このことがキッカケで、私は木暮先輩と話すようになった。今では図書室の窓から手を振れば、振り返して貰える程になった。
今日は〝茄子〟のTシャツを着ている。
どうしてもツッコミたくなり、私はノートに大きく文字を書いて窓の外に向けて見せた。
〝季節の野菜だからですか?〟
読んだ木暮先輩はニコニコしながら首を横に振っている。そして地面を指差し、手招きをした。
私は嬉しくて叫びそうなのを押し殺し、急いでノートに文字を書く。
〝委員会が終わったら、部活見学に行きます〟
木暮先輩がどんな意図で茄子のTシャツを着ているのか聞ける。先輩が普段考えていることをもっともっと知りたい。私の想いは募るばかりだった。
.
そもそもリストバンドなんて間近で見なければ分からないだろう…そう思いながら登校し、靴を履き替えていると視線を感じた。見ると同じクラスの桜木くんが、こちらをじーっと見ながら近付いてきた。
「名字さん、そのリストバンド……あ!おーい!メガネくん!ちょっとコレ見てくれ!」
桜木くんは突然大きな声で叫び、遠くの方へ手を振っている。すると〝メガネくん〟と呼ばれた人がこちらに近付いてきた。
いつも見ていたあの人だった。
「桜木、おはよう。朝から元気だな…あれ?これって…」
「メガネくん、これと同じTシャツ持ってるだろ?ペアだな!ペア!…はっ!まさか2人は恋人同士…?」
『ちょ…桜木くん!先輩に失礼でしょ!!』
「これグアムのだよね?これが被るなんてなかなか珍しいことじゃない?」
初めて間近でその柔らかい笑顔を見た瞬間、私の中に電流が走った。これが私の恋の始まりだった。
このことがキッカケで、私は木暮先輩と話すようになった。今では図書室の窓から手を振れば、振り返して貰える程になった。
今日は〝茄子〟のTシャツを着ている。
どうしてもツッコミたくなり、私はノートに大きく文字を書いて窓の外に向けて見せた。
〝季節の野菜だからですか?〟
読んだ木暮先輩はニコニコしながら首を横に振っている。そして地面を指差し、手招きをした。
私は嬉しくて叫びそうなのを押し殺し、急いでノートに文字を書く。
〝委員会が終わったら、部活見学に行きます〟
木暮先輩がどんな意図で茄子のTシャツを着ているのか聞ける。先輩が普段考えていることをもっともっと知りたい。私の想いは募るばかりだった。
.