Through the Glass
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くじ引きで、図書委員をすることに決まった。
やりたくなかったけれど、放課後の図書室でぼんやりと窓の外を眺めるのが好きになった。その窓からは、体育館裏がよく見えた。
最近、面白い人、正確には面白いTシャツを着ている人を見つけた。その人はバスケ部らしく、休憩時間になると外に出てきて汗を拭いていた。
(今日は〝傘〟か……梅雨だから、とか?)
彼はいつも、何か意味ありげな柄のTシャツを着ている。その独特なセンスが私は好きだった。
彼の周りにはいつも人がいた。後輩らしき人たちに囲まれ、和やかに会話をしている。笑顔も穏やかで優しい人なんだろうな、と思っていた。
ある日、いつものように外を眺めているとバスケ部の彼がやってきた。そして彼のTシャツに目を向けると、私は思わず声を出してしまった。
『同じじゃん…!』
図書室にいた生徒の視線が私に向けられ、思わず俯いてしまった。しかし、声を出さずにはいられなかったのだ。
彼が着ているTシャツと同じデザインのリストバンドを私は持っている。従姉妹が修学旅行でグアムに行き、貰ったお土産だった。南国を思わせる色使いとポップなデザインで、お土産にしてはお洒落だった。
(気付いて欲しい。リストバンドのことも、私のことも…)
いつも見ている内に、私の存在を彼に気付いて欲しくなっていたのだった。
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やりたくなかったけれど、放課後の図書室でぼんやりと窓の外を眺めるのが好きになった。その窓からは、体育館裏がよく見えた。
最近、面白い人、正確には面白いTシャツを着ている人を見つけた。その人はバスケ部らしく、休憩時間になると外に出てきて汗を拭いていた。
(今日は〝傘〟か……梅雨だから、とか?)
彼はいつも、何か意味ありげな柄のTシャツを着ている。その独特なセンスが私は好きだった。
彼の周りにはいつも人がいた。後輩らしき人たちに囲まれ、和やかに会話をしている。笑顔も穏やかで優しい人なんだろうな、と思っていた。
ある日、いつものように外を眺めているとバスケ部の彼がやってきた。そして彼のTシャツに目を向けると、私は思わず声を出してしまった。
『同じじゃん…!』
図書室にいた生徒の視線が私に向けられ、思わず俯いてしまった。しかし、声を出さずにはいられなかったのだ。
彼が着ているTシャツと同じデザインのリストバンドを私は持っている。従姉妹が修学旅行でグアムに行き、貰ったお土産だった。南国を思わせる色使いとポップなデザインで、お土産にしてはお洒落だった。
(気付いて欲しい。リストバンドのことも、私のことも…)
いつも見ている内に、私の存在を彼に気付いて欲しくなっていたのだった。
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