褪せない
NAME CHANGE
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毎年必ず、俺宛に暑中見舞いと年賀状をくれる人がいる。
昔、近所に住んでいた1歳年下の名前だ。
幼い頃、虫や花を探し回るのが大好きで、よく見つけては一緒に図鑑で調べて遊んでいた。
名前は小学生になってすぐ、親の仕事の都合で東北地方に引っ越してしまった。
『向こうで虫とか花を見つけたら、透くんにも見せてあげるからね』
名前の別れ際のこの言葉はすぐに実現した。
引越した後、毎年花の写真がプリントされた葉書が送られてくるようになった。そして、それが届くと俺は決まって名前に電話をかけた。
「今年の暑中見舞いの花、調べたよ」
『えっ、もう?!さすがだね〜!』
今年の暑中見舞いは〝スターチス〟の花だった。鮮やかな紫色が美しい。
『この花って結構どこにでも咲いてるんだけど、よく見たら何か可愛いなって思ってさ〜』
この言葉に俺はドキッとした。身近な物の愛おしさに気付く…まさにそれは俺自身の気持ちを表している。
俺は名前が好きだ。
決まって連絡を取る内に、いつの間にか恋愛感情を抱くようになっていた。
『インターハイ、行けると良いね』
名前がそう言ったから、俺は実現すると信じていた。でも、そうではなかった。
夏の悔しさをバネに冬の選抜には絶対に出るつもりで、必死に頑張った。結果、俺たち翔陽は神奈川代表になることができた。藤真たちとこんなにも長くバスケができたことを俺は何より誇りに思っている。
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昔、近所に住んでいた1歳年下の名前だ。
幼い頃、虫や花を探し回るのが大好きで、よく見つけては一緒に図鑑で調べて遊んでいた。
名前は小学生になってすぐ、親の仕事の都合で東北地方に引っ越してしまった。
『向こうで虫とか花を見つけたら、透くんにも見せてあげるからね』
名前の別れ際のこの言葉はすぐに実現した。
引越した後、毎年花の写真がプリントされた葉書が送られてくるようになった。そして、それが届くと俺は決まって名前に電話をかけた。
「今年の暑中見舞いの花、調べたよ」
『えっ、もう?!さすがだね〜!』
今年の暑中見舞いは〝スターチス〟の花だった。鮮やかな紫色が美しい。
『この花って結構どこにでも咲いてるんだけど、よく見たら何か可愛いなって思ってさ〜』
この言葉に俺はドキッとした。身近な物の愛おしさに気付く…まさにそれは俺自身の気持ちを表している。
俺は名前が好きだ。
決まって連絡を取る内に、いつの間にか恋愛感情を抱くようになっていた。
『インターハイ、行けると良いね』
名前がそう言ったから、俺は実現すると信じていた。でも、そうではなかった。
夏の悔しさをバネに冬の選抜には絶対に出るつもりで、必死に頑張った。結果、俺たち翔陽は神奈川代表になることができた。藤真たちとこんなにも長くバスケができたことを俺は何より誇りに思っている。
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