High Scenery
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『清田!いい加減もう来なよ!』
名前は清田の手を引き、体育館に向かっている。廊下は走ってはいけないから、限りなく走りに近い速さで歩く。
「ちょっ…名前さん!俺まだ心の準備がぁ…」
『時間は待ってくれないよ』
あまりに速く歩いているため、名前の髪がふわふわと靡き、シャンプーのにおいを漂わせる。
体育館の入り口に差し掛かると、ちょうど牧と鉢合った。
『ほらぁ、清田が遅いから牧さんと同時になっちゃったじゃん』
「…やっぱ無理っス!牧さん、冬まで残って下さいよぉ〜」
これから、3年生の引退挨拶がある。
清田は牧が冬も残ると勝手に思っていた。しかし牧は内部進学のため、早くチームに慣れるようにと、明日から大学の部に混じって練習することになっている。つまり、今日で最後なのだ。
「お前が勝手に勘違いしてただけだろう。……ところで、何故お前たちは手を繋いでいるんだ?」
牧が目線をやると、名前と清田は慌てて手を離した。
「いや、あの、違うんス!俺が体育館に行くのを渋ってて…名前さんに強制送還されてただけなんスよ!!」
『そ、そうですよ!繋いでたと言うより、捕まえてたんです!』
慌てて弁解する二人を見て、牧はくすりと笑った。
「…この光景が見られなくなるのは、少し名残惜しいな」
そう言って体育館のドアをゆっくりと開け、中に入って行った。
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