Shabby Happiness
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
数日後
「お父さん、お土産買うてきてな」
「おう。ばあちゃんの言うことよう聞くんやで」
「お母さんは?」
「まだ準備しよるわ」
子どもたちは久しぶりに祖父母と再会し、先日の名前のようにはしゃいでいる。
『ゴメン…!待たせてもーて』
バタバタと階段を降り、リビングに入ってきた名前はメイクをし、髪も整え、白い肌がより美しく見える黒のワンピースを着ていた。
南は思わず見惚れ、ゴクリと唾を飲んだ。
「わー!お母さんめっちゃ可愛い!プレンセスみたいやで!」
『あはは、プリンセスな。ありがとう〜』
名前が次男をギュッと抱きしめると、もう小学生の長男がモジモジしながらそれを見ていた。
『おいで』
長男も抱きしめられ、満足そうにしているのを見て南は2歳の長女に目を向ける。
「お前は、せんでええのか?」
「ええわ〜」
妙にどっしり構える長女を見て、中身は名前にソックリだと南は思った。
結局、最後までめそめそしていたのは長男だった。
「アイツは甘ったれやな」
『男の子ってあんなモンちゃうの〜?』
駅に向かい、並んで歩く。こんなことさえも何だか特別な気がして、名前はチラリと南に視線を送る。すっかり立派な大人の男になった南は、歳を重ねる度に色気が増している気がした。
視線に気付いた南と目が合う。
「見過ぎや」
『へへっ…ゴメン。ええ男やなぁ思て』
「ようそんなん言うわ」
『私もそう思う〜』
名前はポケットに手を入れている南の腕に自らの腕を絡めた。南は特に何も反応せず歩く。
「ほんで、どこ行きたいんや」
『豊玉の近くまで行かへん?』
「は?高校に?」
南はてっきり、梅田かどこかの大人でしか行けないようなショップやレストランに行くと思っていたため、拍子抜けした。
『アカン?』
「…お前が行きたいなら、俺はどこでもええ」
ニッコリ笑う名前の笑顔は、豊玉高校の制服を着ていたあの頃と何も変わっていないと、南は思った。
.