Sorrow and Pure
NAME CHANGE
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そこから先はよく覚えていない。
気が付いた時にはグチャグチャのシーツに包まれていて、土屋くんが愛おしそうに私の髪を撫でていた。
『……土屋くん』
「目覚めた?」
『…まだ明るいやん。あんま見んといて』
急に恥ずかしくなり、シーツを頭から被って顔だけ出してみた。
「プッ…何やそれ」
『…ど、泥棒?』
「アハハハハ!アホや〜」
〝本当の土屋くん〟が声を出して笑っている。その笑顔を見ることができて、私も笑顔になってしまう。
「あ、見られた」
『え?』
「名前ちゃんの笑顔、そのシーツの上で見たくて選んでん」
『上…ではないけどな』
土屋くんは私が纏うシーツをハラリと落とし、抱きしめた。肌と肌が直接触れて気持ち良い。
「くだらん僕のタチは、直らんかもしれへんな。例え見た目を変えたとしても」
『見た目も中身も、変えんでええやん。それが土屋くんやねんから』
床にグシャリと転がるシーツからは、さっき感じた哀しさも、お店に売っていた時の可愛らしさも全く感じられない。
やっと名前ちゃんの笑顔を、しっかり見ることができた。
時が過ぎたって、あの日のことを忘れられそうにはない。
でもダメでどうしようもなく暗い夜が来たって、僕は君がいれば全て受け入れられそうな気がした。
「名前ちゃんがいてくれれば、それはそれでええわ」
さり気ない、飾り気のない毎日を、
今日から君と。
おわり
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