Mercredi
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最近、水曜日が少しだけ好きになった。
大学の講義が1限分空いている時間を利用して、私は同じ学科で仲の良い神くんに相談していることがある。
それは〝彼氏について〟だ。
実は今、彼氏と別れようかと考えている。
一緒にいても何となく違和感があった。最初は、付き合いたての初々しさからくるものかと思っていた。
一度だけ、私のどこが好きなのかと聞いてみたことがある。
〝俺がいないと何もできないところ〟
そんな風に思われていたのかと、本当にショックだった。
彼氏にとって私は何となく隣りにいたらそれなりに絵になるような、自分を良く見せるためのアイテムとして扱われている。
このことをどう本人に伝えるべきか、神くんに相談をしているのだ。
「もうストレートに言っても良いんじゃないかな?そういう扱いがイヤだから別れたいって」
『それができたら苦労しないよ…』
彼氏は頭の回転が早く、何でも器用にこなしてしまうし口も立つ。最初はこういう所に惹かれたはずなのに…。
それに加え私を見下しているのだから、何を言ってもそう簡単に聞き入れてはくれないと目に見えている。
「じゃあ俺が言ってあげるよ」
『えっ…そんなことお願いできないよ』
「大丈夫だから」
ニッコリと優しく微笑む神くんの笑顔を見ていると、何故か絶対大丈夫だと思えるのが不思議だった。
ああ、どうして私、彼氏より前に神くんと出会わなかったんだろう…。こんなに優しくて頼りになる人はそういない。
それにどうして神くんは、こんなにも私に優しくしてくれるのかな…。神くんから見た私って、どんな風に見えてるのかな…。
そんなことを口にできる訳もなく、私たちは次の講義の教室へ向かった。
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