(前編)
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ある日、いつも通り練習中の流川くんのデータを見ていると、何かおかしいことに気付いた。
心拍数、スピード、ジャンプの高さ…いつもより数字が低く、安定していない。
コーチにデータを見せるとすぐに流川くんを呼び、ドクターの診察を受けたところ軽い風邪だと診断された。疲れが取れていないため今日はもう練習しないことになった。
『あの、コレ流川選手に渡して下さい』
私は日本から持ってきていた蜂蜜生姜をスタッフに渡し、滞在しているホテルに帰った。完璧と言えど、風邪を引くなんて流川くんも人間なんだな…と思いながら、蜂蜜生姜が入っていたポーチを枕に置いてベッドに入った。
流川くんが隣りで眠っている気がして、甘い妄想の中、眠りについた。
翌日
今日は休日だが、あまり一人で出歩くのは怖いため近くのマーケットで買い物をすることにした。繊細さのカケラも無い私の身体は、アメリカの食べ物や水も平気なのだ。
(あ、このチョコ美味しかったやつだ…買っちゃお)
チョコレートを取ろうとすると、横からヒョイと取り上げられた。
『えっ…る、流川くん?!』
突然現れた流川くんは自分のカートに私が買おうとしていたチョコレートを入れ、スタスタとレジまで行った。そして呆気にとられている間に会計を済ませ、また私のところまで戻ってきた。
「昨日のお礼」
ズイッとチョコレートを私の前に差し出した。
『えっ…そんな、悪いよ…』
「明日…」
『え?』
「明日、名字さんが喜ぶ数字、出すから」
『…あ、ありがとう』
何だか複雑な気持ちだった。
会社員としては最高の言葉を貰えたと思う。でも私個人としては良い数字が欲しい訳ではなく、流川くんが最高のプレイができればそれで充分なのに…。
流川くんに貰ったチョコレートは勿体無くて食べられなかった。そっとポーチに入れて一緒に眠る日々が続いた。
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