Couvercle
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エイジがアメリカに旅立ってから、もう何年過ぎたのだろう。
最初は頑張っていた超遠距離恋愛も、そう長くは続かなかった。エイジは新しい環境に慣れるのに必死で、私は受験に追われる日々だった。このままではお互いの為に良くないと思い、私から別れを切り出した。別れの時さえも、エイジに直接会ってはいない。
私は大学を卒業し、会社員として働いている。エイジの名前の漢字を忘れる程、目まぐるしい日々を過ごしている。
休日の今日は古本屋に足を運ぶ予定だ。最近好きな作家が見つかり、その人の作品を全て読みたくなったからだ。目まぐるしくて読むヒマなど無いはずなのに。
途中の公園で、煙草を吸っている中学生の集団を見つけた。学ランを着て、堂々たるものだ。彼らは良いとか悪いとかそういうものは二の次で、〝これこそ正義だ〟と信じて疑わないのだろう。その姿は、ある意味エイジに似ていると思った。学ランを着た可愛い顔した中学生のくせに、大人顔負けの力強いバスケプレイで周りを魅了した。
「俺、名前が好きなんだ」
エイジに告白された時の真っ直ぐな眼差しは今でも鮮明に覚えている。自信と愛に満ち溢れていて、怖いものなんて何も無いと言わんばかりだった。エイジの〝正義〟を見せつけられた気がした。
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