Even that ...
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今日の夕飯は南も子どもたちも大好きな唐揚げだ。ご飯と味噌汁、サラダが食卓を彩る。しかし、3人分しか並んでいない。
「お母さん、食べないの?」
『お母さんちょっとダイエット中やねん。気にせんと食べや』
「えー、むにむにのお母さんが好きなのにぃ〜」
食欲が無いとは言えず、咄嗟にテキトーなことを言ってしまった。南は特に気にしていないようだが…。
子どもたちを寝かしつけてリビングに戻り、椅子に座ると無意識にため息が漏れた。
「ため息つくくらいやったら、ちゃんと飯食ったらええのに」
『あ…うん…そうなんやけど…』
「……ホンマはどっか悪いとこ隠してるんちゃうの?」
すると名前の目からポロポロと涙が溢れ落ちた。その姿に南はギョッと驚いている。
『ちゃうねん…赤ちゃん…できてしまって……うちがこんな状況やのに……うぅ…』
南は名前を背後からふわりと抱きしめた。耳元に「ハァ…」とため息が掛かる。
「…ちゃんと産んでくれ。食えなきゃ二人で苦労すりゃええ…」
名前は一瞬で顔がクシャクシャになり、子どものように声をあげて泣いた。南はただ何も言わずに抱きしめ続け、名前の涙をそっと拭った。
自分はなんて愚かだったのだろう。当たり前になり過ぎていた日常で、こんなにも愛されているということをどこかに忘れてきてしまったのだろうか。
名前は南の手を取り、そっと自分のお腹に当てた。
『アンタの父ちゃん、めっちゃええ男やで〜。こんな男つかまえなアカンで〜』
「女の子とは限らんやろ」
『いや、次は女の子な気がする』
「…母ちゃんに似ん方がええな」
『なんでよ』
「美人やと心配やろ、色々…」
二人は笑い合った。
子どもが巣立ち、もっと老けてシワシワになってもこうして手を取り合って生きていきたい。
苦労でさえも愛おしいから。
(そういえば何か策は思いついたん?)
(…バスケ関係者は割引…とか?)
(ハァ…そういうトコやな)
(…スマン)
おわり
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