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NAME CHANGE
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──南龍生堂
大阪のとある町の薬局であり、南烈はこの薬局の3代目店主である。
両親である2代目夫婦は「四国に住むのが夢だった」と言って、3代目に店を継ぐとすぐに引越してしまった。現在は南と妻の名前、まだ幼い長男、次男の4人がこの家に住んでいる。
最近はチェーンのドラッグストアやネット通販に顧客を取られがちで、南龍生堂への客数が激減していた。今日も常連がちらほらと足を運ぶばかりで、最も頭を悩ますのは家計を切り盛りしている名前であった。
(うーん…今月もキビシイ…)
子どもたちが寝静まった後、家計簿とにらめっこしているとヒョイとそれを取り上げられた。
「答え合わせしたるわ」
『つ、烈…ええって!バッチリ合うてるって!』
身長の高い南が家計簿を頭の上に掲げると、名前には届きもしない。
『か、返してやぁ〜』
書いてある内容を見た南は一瞬、難しそうな顔をした。
「ここ、計算ちゃうやんけ」
『えっ!どこ?!』
家計簿を取り戻そうとピョンピョン跳ねたり、南の腕を引っ張ったりする名前を見て、南の顔は緩んだ。
「…まぁ何か策考えるから、それまで何とかやってくれ」
名前の頭に家計簿がポンと置かれる。その寂し気な言葉に堪らず、名前は南に抱きついた。
『いつもありがとうな。私、烈と家族になれてホンマに幸せやで』
すかさず南の腕が名前の背中に回る。言葉は無かったが、優しく触れるだけのキスが降ってきた。
(やっぱ烈、ちょっと老けたな…)
見られていることに気付いたのか南はニヤリと笑い、先ほどよりも深いキスをし始めた。
『んっ……んぁ…ふっ…ちょ…子どもたち起きちゃうって…』
「…声、エンリョしたらええやん」
自分を見つめる夫があまりにも色っぽく、その視線にゾクゾクした。結婚してもう何年も経ち、子どもが生まれてもこうして求め合う関係でいられることに、お互い幸せと愛を噛み締めながら熱い夜を過ごした。
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