Esteem and Love
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『藤真さ〜ん!』
名前が入社時の教育係だった藤真を呼ぶ声が今日もオフィスに響く。
二人の年齢は10歳離れているものの、気兼ねなく話すことができる信頼し合う上司と部下の関係だった。名前は最近異動した部署の上司とウマが合わず、用事を作っては度々藤真の所に来て愚痴を吐いていく。
『これ、新規の顧客リストです』
「サンキュー。んで、また何かあったのか?」
『…何で分かるんですか』
「ここに書いてる」
額を指さすと、名前が涙目になったことに藤真は気付いた。
『…あの課長、私のこと嫌だと思ってるのか無視じゃないですけど…話もろくに聞いて貰えないんです』
「もっと上に掛け合ったらいいんじゃねーの?」
『掛け合わせてすら貰えないんですもん…あぁ、藤真さんの所に戻りたい…』
それは〝部署に戻りたい〟という意味だと分かっているものの、部下に慕われて悪い気はしない。しかし、あのポジティブ思考の名前がこんなに深刻な顔をするなんて余程堪えているのだろう、と藤真は思った。
「日曜日、空いてるか?」
同情、部下のモチベーションアップ…どういう心情なのかは自らもよく分からないが、気が付くと藤真は名前をドライブに誘っていた。
.
1/2ページ