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NAME CHANGE
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5年前──
幼なじみの名前が入院することになったと連絡があった。幼い頃から4人でいることがごく自然であり、突然の出来事に南、岸本、土屋の3人は戸惑った。
面会には制限があるらしく、名前の母親に様子を聞いても、
「心配せんと、アンタらはバスケしとき。名前はアンタらのバスケを見てる時が一番楽しい言うとったで」
と、病気に関することは何も話して貰えなかった。
それから数ヶ月経っても一向に名前が退院する気配はなく、気付けば名前の誕生日が近付いていた。6歳の時からずっと続けてきた名前の誕生日パーティーも、今年はできそうにない。
「手紙、書いてみんか?」
こんなことを一番言いそうにない岸本が言い出したことで、逆に真剣さが増した。3人はそれぞれ名前に宛てた手紙を書き、一つにまとめて母親に渡して貰うことにした。
数日後、校門の前に名前の母が立っているのを土屋が見つけた。声をかけると、3人が書いた手紙を未開封のまま手渡された。
「ゴメンな。今はそっとしといたって」
そう言った名前の母の目には薄っすらと涙が浮かんでいたのを、土屋は見逃さなかった。
「おばちゃん泣いとったけど……もしかして名前はもう……」
「アホなこと言うな!!」
土屋の言葉を聞いた岸本が胸ぐらに掴みかかる。南の仲裁でその場は済んだが、3人のやり場の無い感情は募るばかりだった。
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