かわいい常連さん
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寒い!とにかく寒い!
大学の講義を終えた私は、マフラーをぐるぐる巻きにして、今日もバイト先に向かう。
もうすぐ年末だ。
大学は冬休み、実家暮らしだから帰省も無く、趣味の映画や写真に費やす時間は確保できている。こうなったらシフトを入れまくって稼いでやる!と、私は意気込んでいた。
バイト先は大学と家の間にあるコンビニだ。夕方はそこそこ忙しいが、繁華街に近い訳ではないため、夜はあまり忙しくない。
夕方のラッシュ時間を終え、お客さんも外を歩く人も少なくなった頃、店長はPOPの張り替えをするために外に出た。
レジで在庫チェックをしていると、お客さんが入ってきた。パッと顔を上げると、よく来るお客さんだった。
この人はいつも、店に入ると買いたい物の場所に直行し、手に取るとすぐにレジまで持ってくる。
うちの大学名とBasket Ball Teamと書かれたジャージを着ているから、同じ大学で部活をやっている人なのだろう。こんな時間まで大変だな…。
「あの、うちの大学の子やんな?」
突然、ジャージの大学名を指差しながら、お客さんが話しかけてきた。
『えっ…あぁ、ハイ。そうですけど…』
そう答えると、ニコーッと笑った。
うわ…か、かわいい…!と思ってしまった。
「やっぱり!学食で見かけてん。いつも行くコンビニの店員さんやぁ思て」
『あ、ホンマですか。全然気付きませんでした』
「また声かけてもええ?」
『はい。どーぞ…』
「ほな、また!」と手を振り、その人は帰って行った。
まぁこれだけ来ていれば、顔も覚えるだろうと思いながら、私は仕事を続けた。
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