大人だから
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「大丈夫?苦しない?」
『ん…だいじょうぶ……』
盛大に二人で濡れてしまったため、そのまま服は洗濯行きになり、身体が冷えるといけないからという流れでお風呂に入ることになった。ベタな展開に何だか拍子抜けしてしまう。
一人暮らし用のバスタブは狭くて、僕の足の間に名前ちゃんが座る体勢になっているがそれでもぎゅうぎゅうだ。
目の前の髪からはシャンプーの香りがする。嗅ぎ慣れていたはずなのに、何だか懐かしい感じがして安心する。束ねた髪、何とも言えない頸の曲線、鎖骨と胸の膨らみ…。久しぶりに会うだけで特別感があるのに、いきなりこんなのが全部自分の腕の中にあるのは少々刺激が強すぎる。
そんな僕を背に、彼女は最近あった面白かったことを楽しそうに話している。
「なんやいつもよりおしゃべりやねぇ」
『だって淳に会ったら話そうと思ってネタ集めてたんだもん』
「何やそれ。可愛すぎやん」
お腹の辺りに腕を回すと、ちゃぷんっとお湯が動く音が響く。そして僕の手に名前ちゃんの手が重なる。
『淳、忙しかったんでしょ?疲れてない?』
「疲れたよぉ…名前ちゃんに…会いたくてたまらんかった」
つい声に感情が混じってしまった。そのくらい今の僕には余裕が無い。
『我慢してたの偉かったね』
「あ、ズルいなぁ、大人対応や」
『だって大人だも〜ん』
全然大人らしくない語尾と、クスクス笑う彼女が愛おしくて抱き締める腕に力が入る。
「名前ちゃん、今日はいっぱいワガママ言うてな」
『ありがとう。淳もね』
「えー、ほな早速言ってみよかな」
『うん、良いよ。何したい?』
「名前ちゃんを抱きたい」
唇を耳に触れさせると、彼女の身体がびくりと跳ねる。
恥ずかしそうに振り返り、送られた目線はもうどこか熱を持っていて、彼女も同じ気持ちなのだと悟る。
「あ、でもベッドまではちゃんと待てるで?だって大人やもん」
…今のはちょっと大人げなかったかもしれない。まぁ良いか。どうせ全部曝け出すんやから。
おわり
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