もんじゅ
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「ハァ〜…」
かつて無いほど大きなため息が板倉家の一室に放たれる。ちなみにこれは一度目ではない。
誰が声を掛けるか、というアイコンタクトが何度か行われ、ほぼ強制的に板倉がその役を担う。
「岸本さん、さっきからため息ばっかりついてどうしはったんですか…?」
最後の方はほぼ消え入るような声でだった。そして待ってましたとばかりに板倉の方を見ると、伏し目がちになった。
「いや…お前らにこの繊細な気持ちは理解出来へんと思うわ…」
なんて言ってはぐらかしたのだ。困った板倉は助けを求めるように他の三人の方を見る。
「ほっといたら勝手に立ち直るやろ」
「えー、久々に岸本を揶揄えそうでええやん。僕はのってもええで」
『確かにここで実理に借りを作っておくっちゅーのもアリやな』
「なぁ、俺らってホンマに友だちなん?」
板倉以外の三人のドライな反応に岸本は思わずつっこんでしまった。そして勝手に語り始めた。
すごーく話が長かったため要約すると、小さい時に岸本のことを好きだと言っていた近所の女の子を久しぶりに見かけたら可愛くなっていて、彼氏と歩いているのを見かけた。別に好きだった訳でもないが、何となく取られてしまったようなモヤモヤした感じから抜け出せない、ということだった。
そしてそれを受けた三人のコメントはこうだ。
「ほっといたら勝手に立ち直るやろ」
「小さい時点で岸本のこと好きってなかなか強者なんちゃう?」
『男ってほんまアホやな』
予想とは裏腹にまたしても三人のドライな反応に岸本はショックを受けたようだ。
「あー、もうなんややる気無くなってきたわ。友だちにまで邪険に扱われてもーた」
どうやら本当に拗ねてしまったようで岸本は立ち上がり、帰ってしまった。
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