最後のひとピース
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「椿ちゃん、キャンディ食べない?」
話しかけてきた人物を見て一瞬止まってしまった。なぜならそれは可愛いと評判の隣りのクラスの子だったからだ。話した事が無い訳でも無いが、存在を知っている程度の関係という認識だ。しかし何故そんな子がクラスも違う私の所にわざわざ、しかもスーパーにでもコンビニにでも売っているような飴をわざわざ持って来たのだろう…。私、何かしたっけ…?
考えても全く身に覚えが無く、話しかけられてから何秒経ったのかも分からない。とりあえず袋に手を入れて手前にあるのを一つ取った。
『…ありがと。いただきます』
「うん!あ、良かったら諸星くんもどーぞ!」
あぁ…そういうことか。彼女の声色で全てを悟る。
どうやら彼女の目的は私の隣りの席に座っている諸星だったらしい。いつも部活の朝練で疲れていて、午後の休み時間は席でぼんやりとしていることが多い。おそらくそれを見越しての行動なのだろう。
諸星は寝ぼけた様子で飴を一つ取り「どーも」と会釈していた。その後、部活は大変?だとか、今度部活観に行っちゃおうかなだとか、彼女の猛烈アピールが始まり、聞いているこっちが恥ずかしくなってくるような言葉のビームが放たれた。しかし、そのビームを真正面から受けているにも関わらず諸星は一応愛想笑い?しながらも当たり障りの無い返答をしている。
さすが愛知の星と呼ばれている(らしい)だけあり、多少の事には動じないのだろうか…。さすがに手ごたえを感じなかったためか、彼女は自分のクラスに帰って行ってしまった。そして途端に私と諸星の目が合う。
.
1/3ページ