二人だけには
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『最近バスケ部の人たちがすっごく話しかけてきたり、見られてるんだけど私何かしたかなぁ…』
不安そうに見上げながら問いかけると、深津は表情を変えずに言った。
「この前、皆に彼女の一番好きなところはどこかって聞かれたピニョン」
『え゛っ…!な、何て答えたの…?』
思いがけない展開にりおは耳を澄ます。
「歯、ピニョン」
その言葉を聞いた途端、りおは耳まで真っ赤になり、俯く。そしてそれを見た深津の口元が緩む。
りおがイヒヒと歯を見せて笑うのは、照れた時だけだと深津は知っている。そして照れてくれるのは自分にだけだということも知っている。
「りおが分かってくれればそれで良いピョ……ピニョン」
『あ…!』
りおは歯を見せて笑う。
深津が接尾語を間違えるのは照れているからだと知っているから。
〝歯、ピニョン〟
たった5文字のこの言葉はバスケ部員たちの心を揺さぶり、深津とりおの愛を深めてしまった。
二人だけには分かる魔法の言葉なのである。
おわり
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