二人だけには
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「深津さんて、彼女さんのどこが一番好きなんすか?!」
一時帰国中の沢北がいきなり何の脈略も無く問いかけた。
「…アメリカにかぶれてるピニョン」
練習後のミーティングを終え、そのまま談笑している場面である。
「俺も気になるかも。彼女の方は全力で深津を好きな感じがよく分かるけど、深津の方は実際どうなんだよ」
松本が楽しそうに話題に入ってくる。そうすると自然と周りの部員たちも輪に入ってきたり、聞き耳を立て始めたりした。
「…歯、ピニョン」
「は?」
「歯」
「歯?」
暫く部室に「歯」という音が響いた。
一筋縄ではいかないことは十二分に分かっていたはずなのに、まさかの答えに部員たちは上手くリアクションが出来なかった。そして深津もそれ以上何も言わなかった。
それからというもの、バスケ部員たちはりおの歯がどんな風なのか気になって仕方なかった。
遠くから覗いてみようとする者、不自然に挨拶する者、無理矢理用事を作って話しかける者など様々いたが、歯はそんなに見えるものではなかった。歯を見せてくれだなんて不自然過ぎて言えるはずもない。
そんな異様な雰囲気にさすがにりおも気付かない訳がなく、ある日の帰り道、深津に相談してみることにした。
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