春の風物詩
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『うわぁ!綺麗っ!』
四月生まれの彼女と何度か誕生日を一緒に過ごしてきたが、今年は初めて夜桜ってやつを見に来た。昼間に見るのとは違ってまた趣がある。それは桜だけでなく出店もそうで、肌寒い空気の中ぼんやりと光る灯りが綺麗だ。
そんな良い雰囲気の中、桜色の空を見上げる彼女の首元には誕生日プレゼントとしてあげたネックレスが時々光っている。かなりご機嫌でこれだけでも来て良かったなと思える。
『ね、おでんだって!食べたい!』
「ハハッ…桜見て喜んでたんじゃねーの?」
『屋台が私を引き寄せるんだもん』
少し恥ずかしそうに口を尖らせる彼女が愛おしくて、思わずニヤけてしまう。
「…俺、お前のそういうことすげー好き」
『え?何て?』
「いや、おでん買おうぜ」
『やったー!』
その後ベンチに座っておでんを食べ、美味いと喜ぶ彼女の笑顔も見られた。
「そっちが誕生日なのに、俺ばっか貰っちゃって何か悪いなぁ」
『へ?私何もあげて無いけど?』
発泡スチロールの容器から遠慮がちに湯気が上がる。それにさえも趣を感じてしまう俺は大人?おじさん?になってしまったのかもしれない。
「椿、誕生日おめでとう」
『ありがとうございます。幸せです!』
「来年もまたおでん食いに来るか」
『え、桜じゃなくて?』
「あ、そか」
花より団子。
団子よりおでん。
おでんより椿の笑顔が、俺にとっては春の風物詩だ。
おわり
椿ちん、Happy Birthday!
愛を込めて♡
ぱこ
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