届けてくれませんか…?
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「安田くん、コレ流川くんに渡して欲しいのっ…!」
これでもう何度目だろう…。バスケ部員たちにバレンタインチョコを渡して欲しいと頼まれたのは…。
夏のインターハイを終えてからというもの、男女問わず部活を見学に来る生徒が増えた。そうなると自然に所謂ファンが増え、二月十四日はうってつけの日となる訳だ。
流川だけじゃなく、リョータや三井さん、中にはマネージャーに憧れてるだなんて子もいて正直まいっている。別の子には「安田さんに頼めば渡して貰えるって聞いたので…」なんて言われてしまい、正直嫌気がさしていた。
早く今日が終われば良いのに…。
綺麗な包装紙に包まれたチョコを紙袋に詰め込むと、その何とも言えない重さが心にずっしりとのし掛かってくるようだった。
これ以上頼まれないよう、さっさと部室に行ってしまおうと重い足を進めていると、同じクラスの名字さんが向こうからやって来た。
『あ、安田くん!今から部活?』
「うん、そうだよ」
俺は彼女密かに想いを寄せている。本当は自分の気持ちを伝えたいけれどなかなか勇気が出せずにいた。でもこうしていちクラスメイトとして何気無い会話が出来るだけでも十分だよな…。
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