土屋くんの恋模様
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「頼む!このとーりや!」
ある日、岸本がデカい図体を屈ませてこう言った。岸本が小山さんをランチに誘ったが、二人だと気が引けると言われてしまったようで、僕とはなちゃんも一緒に来て欲しいということらしい。
こんなことを言われてはなちゃんが良い気持ちになるはずがない。何と答えれば良いのか戸惑っていると、はなちゃんは言った。
『ええよ。小山さんがどんな人なのか私も知りたいし』
いつものように柔らかい口調だった。けれど、それには色んな意味が含まれていることが分かる。好きな子が困る姿なんて見たくない。
「ほな僕が声かけて誘ってみるな」
はなちゃんに誘わせるのはあまりにも酷だと思い、僕は自分が誘う役を買って出たのだった。
──ということがあり、講義の合間の休み時間である今、僕は後ろの隅の席にいる。
「小山さん、今ええかな」
僕が話しかけても小山さんはクールな表情を崩さなかった。もしかしたら声を掛けられるのに慣れていて、またか、くらいに思っているのかもしれない。
「あの…僕、岸本の友だちやねんけどさ、もしよかったら今度皆で一緒に──」
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