始まりの恋模様
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「あのCDな…岸本に借りただけやねん。僕が好きな訳やない」
これは全てを物語っていた。
お前勘違いしてんぞってこと?
間接的にフラれたってこと?
…ふざけんな。
それはあくまでキッカケであって…
好きっていうのはそういうことだけじゃないでしょう…?
何故か怒りのような感情が込み上がってくる。そしてその勢いに押されるように、私の身体は声を発した。
『…じゃあもっと教えてよ』
いつもより遠くまで通るような声だった。土屋くんが珍しく笑顔ではない。
『私…土屋くんのこともっと知りたい…!CDのことはただのキッカケっていうか…その…やっとちゃんと話せるようになったのに、そんなの嫌だよ…!』
こんなにも自分を曝け出したのはいつぶりだろうか。自分が一番驚いていることに気付いたのか、土屋くんはクスクスと笑い出した。
『なっ…えっ……』
「ごめん。小山さんでもそんな大きな口開けんねんなぁ思て。そっちの方がずっとええと思うで?」
そんなに大きな口だったのだろうか。は、恥ずかしいっ…!
「ほなまずは…連絡先からやな」
『へ…?』
「僕のこともっと知りたいんやろ?」
そう言って携帯電話を差し出した土屋くんの笑顔はいつも以上に眩しかった。この瞬間を私はきっと忘れることは無いだろう。
こんな風にされたら、ますます好きになっちゃうよ…。
携帯を持つ手が震えているのも、もう隠す必要はない。
だって、本当の私を褒めてくれたから。
「ほな、よろしくね」
画面に出た〝土屋淳〟という文字に吸い込まれてしまいそうだった。
始まりの恋模様。
続く