土屋くんの恋模様
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はなちゃんが岸本を好きだと気付いたのは、入学してから少し経ってからだった。岸本は講義終わりによく一緒に昼ごはんを食べようと誘いに来てくれるのだが、チャイムが鳴ると出入口の方を少し気にしているような気がしていた。そして岸本が顔を出すと嬉しそうに微笑むのを見て、確信した。
二人は幼なじみで、大学も〝たまたま〟一緒になったそうだ。それほどまでにはなちゃんが岸本を好きでも僕が好きになってはいけない訳ではないし、はなちゃんが僕と同じ境遇だということも分かっている。どういうことかというと、岸本は他に好きな人がいるのだ。それが僕と同じ学科で、岸本と同じバイトをしている小山さんだ。
小山さんはあまり人と群れるのが苦手なのか、いつも後ろの隅の席に一人で座っている。岸本に言われるまで認識していなかったが、綺麗な顔をしていて話しかけにくい雰囲気がある。所謂、高嶺の花のような存在だ。
私は何にも靡きません。
そう言わんばかりに興味なさげに講義を聴いている姿が印象的だった。
しかし、はなちゃんにとって真逆のタイプとも言える小山さんが同じ学科にいることは心穏やかなことではないだろう。そんな心配を他所に、日々は過ぎて行った。
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