彼女の恋模様
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そんなある日のことだった。その日はあのバンドの新しいアルバムが発売する日で、バイト先のCDショップで一人浸りながら棚出しするのを楽しみにしていた。しかし新しくバイトに入った人物を見て、私の感情は掻き乱されてしまう。
「今日から働いて貰う岸本くんや。小山さん、今日色々教えてたってくれへんか」
店長に紹介された彼は、昼休みになると土屋くんの所にやってくる人だった。
待って待って…こんなことある…?人目につかない、知る人ぞ知る古いCDショップだよ…?こんなことある…?
内緒かなり動揺しながらも、それを分からないように見せる術を身につけていた私は小さく『はい』と返事をした。せっかく楽しみにしていた品出しだが、彼と一緒にすることになり色んな意味で悟られまいと心を無にした。本当なら誰にも見られないこと目立たない奥の棚でひっそりと幸せを噛み締めるはずだったのに…。そう思いながら箱を開けると、彼は身を乗り出してこう言った。
「お、新しいの出るんや」
え…うそ……この人も…?!
『え、知ってるんですか?!』
「知ってるも何も、年末のライブも行きましたよ」
『うそぉ!私も行ってました!!』
そこで真っ先に思ったのは、土屋くんと一緒だったのではないかということ。土屋くんがCDを持っていたのも彼に貸すためだったから…?
土屋くんとの共通点をまた見つけてしまい浮かれた自分を隠すのに必死だった。でも普段は歓迎会なんて絶対行かないのに、その日行われた彼、岸本くんの歓迎会には参加してみようと思えたくらいの浮かれっぷりはきっと隠せていなかったと思う。
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