彼女の恋模様
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講義室の一番後ろの端の席、ここが私の定位置だ。授業を聞く気がないとか、サボれそうだからとか、そういう理由ではない。
昔からこの容姿のせいか、寄ってくる人が多かった。でもイメージと違う中身をさらけ出すことで引かれてしまうことも多々あった。だから何となく人と関わることが嫌になり、わざわざ大阪の大学に入学して、目立たないように、声を掛けないで欲しいオーラを出して過ごしている。この席に座っている理由の一つがそれだ。
そしてもう一つの理由は……土屋くんが見えるから。
土屋くんは同じ学科の人で、周りの女の子たちにかっこいいとキャーキャー騒がれているのを知っていた。本人がどう思っているかは知らないが、彼も私と同じなのかな…なんて勝手に思った時から何となく見てしまうのが始まりだった。
そんなある日、土屋くんが私の好きなスーパーマニアックなバンドのCDを持っているのを見てしまったのだ。
えっ…ちょ……待って…。は?え…やば…!
私はバンドのこととなると世間で言う所の〝オタク〟というやつに分類されるのだろう。学内であのバンドを知る人なんて絶対いないと思っていたし、ましてや同じ学科にCDを持っている人がいるだなんて信じられなかった。それがもう私には運命にしか感じられなくて、彼のことをもっと知りたいと思うようになり、この席ならナチュラルに土屋くんが視界に入るという訳なのだ。
話したいとか、付き合いたいとか、そういうのは求めていなかった。あのバンドが好きな人が同じ講義室にいる。それだけで脳内エレクトリカルパレードが出来るくらい嬉しかった。
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