岸本実理の恋模様
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小山さんは愛想が無い感じで淡々と仕事を教えてくれた。別にそういうのを求めている訳ではないが、あまりにも皆無だと何だか虚しくなってくる。ここにも俺は居場所を見つけられないのだろうか…。そう思いながら小山さんと品出しをしていると、とあるインディーズバンドの今日発売の新しいアルバムが箱から出てきた。
「お、新しいの出るんや」
思わずそう言うと、さっきまでとは別人のように目を輝かせた小山さんが俺の方を見た。
『え、知ってるんですか?!』
「知ってるも何も、年末のライブも行きましたよ」
『うそぉ!私も行ってました!!』
なんと小山さんとかなりマニアックな共通点を見つけてしまった。前に土屋にCDを貸した時はさほど興味を示さなくて、この良さを分かる人は早々いないのだろうと思っていたため途端に親近感が湧き、つい話し込んでしまいそうになるが残念ながら今はバイト中だ。グッと堪えてアルバムを手に取り、丁寧に棚に並べたのだった。
これが、俺にもちゃんと居場所があることに気付けた瞬間だった。
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