土屋くんの恋模様
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大学の講義室の椅子は硬くて窮屈で好きになる要素はあまり無い。けれど、今日も僕の隣りには好きな女の子が座っているから嫌いにはなれないのだ。
彼女、森本 はなちゃんは大学から知り合った子で、入学した時のオリエンテーションで班が一緒になった事がきっかけで話すようになった。しかし、講義の時に隣りに座るまでの仲になったのはもう一つの理由がある。それは、岸本の存在だ。
高校の時はライバル校同士でバスケをしていた岸本と学部は違うがたまたま同じ大学になった。その岸本は、僕と同じ学部のはなちゃんの幼なじみなのである。つまり僕の恋は、岸本という共通の知り合いがいることによって進行してきた想像もしなかった事態となっているのだ。
はなちゃんはおっとりしていて、些細な事でも喜んだり驚いたりしてくれる子犬のような女の子だ。正直、今まで付き合ってきた子とはタイプは違う。では何故彼女を好きになったのか…それは、僕を外見やイメージで判断しないからだ。
別に一匹狼になりたい訳じゃないから、それなりに愛想は振りまく。けれどそれは優しさじゃない。それなのに勝手に優しそうだとか、賢そうだとかそんなイメージが造られていて、理想と違えばボロクソに言われる。自分が悪いのではないかとさえ思ったこともあった。だから大学に入学する時も、またそんな事に苦しむのだろうと何処か諦めていた。
でも、はなちゃんは違った。
僕にちゃんとどう思うか聞いてくれる。自分を恋愛対象の異性としてではなく、一人の人間として見てくれる。そういう所に惹かれたのだ。
初めてちゃんと人を好きになれた気がする。
でも、彼女は他に好きな人がいる。しかもそれが彼女と仲良くなるきっかけになった岸本なのだから、本当に人生上手くいかないなと思う。
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