ロックスター
NAME CHANGE
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休日
久しぶりに梅田の方に出掛けようと、南は電車に乗っていた。
次の駅に着くと自分が立っている側のドアが開き、ギターケースを背負った女性が乗ってきた。
女性の割に背が高いためか、身長184cmの南の視界にもギターケースと女性の顔が入り込んだ。
膝より上の丈のスカートからスラリと伸びる白い脚、オーバーサイズのパーカー、長く細い黒髪、オレンジのリップが可愛らしさを醸し出す。
視線を感じたのか、女性が南の方をチラリと見る。イヤホンを外し『南くん』と言った。
正面から顔を見て、女性がクラスメイトの名字であることに南は気付いた。名字はいつも教室の隅でイヤホンをし、何かを聴いている。他の女子に混じってキャピキャピすることは無いが、だからと言って外されている訳でも無かった。
実は3年間同じクラスの2人だったが、まともに話したのは実質今日が初めてだ。
「名字さん、楽器すんねんな」
『あぁ、うん。まぁ』
と、素っ気ない返事が返ってきた。
まぁ普段の名字を見る限り、このくらいでも話せば、充分話したことになるだろう。そう思った南は「へぇ」と言って会話が終わった。
目的の駅に着いた。名字も降りる駅が同じようだ。
『じゃあね』
と微笑み、名字は南とは反対方向に歩いて行った。
学校で見るよりもずっと魅力的な名字に、南は一瞬にして心を奪われた。
あんな風に笑うんや、と。
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