八月四日
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『勝ったんだね!おめでとう!!』
めぐの歓喜の声が響く。
この日は八月三日。無名の湘北高校があの山王工業に勝った日である。
今は三井が宿舎から彼女であるめぐに報告の電話を掛けているところだった。
「明日の誕生日、祝えなくて悪ぃな」
『何言ってんの。ずっと憧れてきた舞台にやっと立てたんだもん。目一杯頑張ってきて欲しいよ』
「おう。まだ二回戦突破しただけだもんな」
そう話す三井はどこか夢見心地のようだった。それもそのばず、あの山王工業に勝ったのだから無理も無い。めぐはそんな様子を感じ取り、あまり聞かないようにしようと思った。
「明日は一緒にいられねぇけど、その分良い知らせしてやるから待っとけよな」
『うん、分かった。頑張ってね!』
話したのはほんの数分だけだったが、お互いに満たされて電話を終えた。
実は、めぐは明日三井に内緒でこっそりと試合を観に行くことにしているのだ。三井にはああ言ったが、自分の誕生日にインターハイで試合をする彼を一目見たいと思ったのだ。
気付かれないようにすれば大丈夫。目立たないように行かなきゃな…。
そう思いながら手に持っていた電話を置き、めぐはクローゼットの扉を開けたのだった。
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