有休の有意義な使い方
NAME CHANGE
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『あ、おはようございます』
「おはようございます…まだ治らんのですか?」
『そうなんです。喉が痛くて…病院に行ったんですけど二時間待ちやって言われたんで診察券置いて帰って来ました。家で寝てる方がマシなんで…』
名前の声は少し枯れていて、痛そうに喉に手を当てている。
「出歩かん方がええですよ。家に薬は?」
『無いんです…。この前南さんとこで買ったやつも飲んでしまって…』
メイクをしていない名前の素顔はいつもより少し幼く見える。困っているのと不安な気持ちが表れていて、南は何とか助けたいと思った。
「俺、家戻って薬持って来ます。せやから名字さんはゆっくり寝とって下さい」
『え…で、でも…』
「病院までまた行くのしんどいないですか?」
『……じゃあ、お言葉に甘えて…。お願いします。お金はちゃんと払いますので』
名前は申し訳無さそうにしながらも、ホッとしたようだった。すぐに南は方向を変え、急いで家に帰ろうとした。今なら先程とは違って軽やかにダッシュ出来る気がして一歩を踏み出したが、犬がここから離れたくないと脚を思いっきり踏ん張ったのだ。
「おい!アホ犬!行くぞ!!」
犬は名前を見上げ、尻尾を小さく振っている。名前と一緒にいたいと言わんばかりだ。
『あの…良かったらうちで預かりますよ。ペットオッケーなんで大丈夫だと思います』
名前がそう言うと、犬は勝ち誇ったかのように南を横目で見ている。
「ほなすぐ戻って来るんで…お願いします…!」
犬に自分の気持ちを見透かされている気がして、南はなんだか悔しかった。それが原動力となったのかさっきよりもずっと速く走る事が出来たのだった。
そして家に帰り、薬や飲み物を見繕ってまたすぐに家を出たため家族には戻って来たことを気付かれなかったようだった。
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