有休の有意義な使い方
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そして、それから三日経った月曜日の朝、
いつものように起きて洗面所に向かおうとした時、母親の声が台所の方から聞こえてきた。
「烈ぃ〜!くにちゃんの散歩行きや〜!」
〝くにちゃん〟とは南の家で飼っている雑種犬の名前である。正確には〝南 国(みなみ くに)〟という名前であり、パッと見た時にリゾート気分を味わえるからという理由でつけられたのだ。しかしそれは漢字表記で名前を見た時のみの話で、犬自体を見ても南国感は1ミリも無くて南はアホらしいと思っている。
それにこの歳になってまで何故母にドヤされなければならないのかと思うが、「行かんとは言ってへんやろ!俺のタイミングで行くやんけ!」と言い返したところでどうにもならないため、大人しく散歩に行く準備をする。
いつもの散歩コースを歩くだけなのに、犬は毎日大喜びしている。そして同じ電柱にマーキングをして、ズンズンと進んで行く。
そういや、名字さんの家、この辺りやったな…。
以前、犬の散歩コースの途中にあるアパートから名前が出て来たことがあり、その時は犬をとても可愛がってくれたのだった。そんなことを思い出しながらぼんやりと歩いていた時だった。突然犬が全速力で走り出したのだ。リードが手からすり抜けてしまい、南は慌てて追いかける。必死に走るが息が辛い。バスケをしていた頃と同等とまでは言わないが、もう少し走れると思っていたため少しショックだった。
そして、何とか犬を見失わずにいると突然犬が走るのを止めた。上がり切った息をゼーゼー整え、見るとそこには名前が立っていた。
この間のように犬と戯れているが、いつもと違ってメイクもしておらず、マスクをしていた。もしやまだ風邪が治っていないのだろうか?
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