青さ残る、君と。
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「お待たせしました〜!生ビールのお客様〜」
店員さんがさっき頼んだドリンクを持って来た。三井くんはビールにしたのか…。
「こちらラムネサワーです」
可愛い店員さんがそう言って私の目の前に置いたのは、少し青みがかった透き通った液体が注がれたジョッキだった。
『あの…私頼んだの〝ライムサワー〟なんですけど…』
「も、申し訳ございません…!お下げしてすぐに新しいのを…」
「うわ…すみません…俺が間違って注文しました…。俺飲むんで、置いといて下さい」
店員さんの言葉に被るように三井くんがそう言ってジョッキを自分の方に引き寄せた。それを見た店員さんはすぐにお持ちします、とその場を去ってしまった。
『別にそれでも良かったのに』
「いや…すみません。き、緊張しちまって…」
『えー、別にいつも通りで良いよ〜?』
「む、無理っす…」
そう小さく言うと、三井くんの顔はみるみる赤くなっていった。ん…?まだ飲んでないよね…?
「好きな人に映画館で偶然会って飲みに来るなんて漫画みたいな展開っすよ?!緊張…しない訳ないじゃないですか…」
ん…?今〝好きな人〟って言った…?
三井くんの方を見ると、少し斜めに顔を逸らしつつ、目線だけ私の方を見上げるようにしていた。え、待ってヤバい…その角度かっこ良すぎないか…?
落ち着け…落ち着け、私…。
こんな私を好きだと言ってくれる人がいるんだもん。前に進まなきゃ…!
私は三井くんの手元にあるラムネサワーを取り、グッと一口飲んだ。ラムネなんて飲んだのは子どもの時以来かもしれない。お酒と混ざっているのを感じさせず、甘くて喉をシュワシュワと流れていく。
大人しか飲めないはずなのに、子どもっぽさも残っている青みのある液体…それはまるで目の前で頬を染めている三井くんのようだと思った。
『三井くん』
「…はい」
『変に背伸びしないで、そのまんまで私の隣りにいてよね』
「……っ……よ、宜しくお願いします!!」
嬉しそうな笑顔には喜びが溢れている。
ゴールデンウィークはまだ始まったばかり。
少しずつ進んでいきたい。
青さ残る、君と。
おわり
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