土屋家の甘い食卓
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すっかり日も暮れ、少し開けた窓の外からは他所の家の晩御飯のにおいがする。さて、我が家もそろそろ準備にかかりますか。私は材料の下拵えをし、フライパンに油を熱した。
ああしてこうして、それからこうして…焼き過ぎると硬くなるから目が離せないぞ…。
と、フライパンの中味に集中していると、玄関のドアが開く音が聞こえた。
え、うそ…!思ったより早く帰って来ちゃった…!お出迎えしたいけど、今は離れられないっ…!
「ただいまぁ〜」
『おかえりっ!あの…今料理してて手が離せな…』
言い終える前にドアが開き、淳がキッチンを覗いている。
「ええにおいやなぁ。今日何〜?」
『食べるまでのお楽しみだよ。すぐ出来るから着替えてきて』
「分かった」
そう言いながら淳は私の額にチュッと音を立ててキスを落とした。未だにこれには慣れなくてつい照れてしまう。
淳が着替えを終えて戻ってきた時に丁度料理が完成して盛り付けるところで、淳がお皿や箸を出してくれ、あっという間に食べる準備が出来てしまった。
「美味しそうやなぁ。これ初めて食べるやつやんね?」
『うん。スーパーに春キャベツが並んでてさぁ。ふわふわで綺麗だからこれだって思って買ったの。淳の好きな海老と卵と中華風に炒めてみましたぁ〜!』
「嬉しいなぁ。ほな早速食べてもええ?」
『はい、召し上がれ〜』
取り皿に作ったおかずを取り分け淳の前に差し出すと、淳はすぐに箸を口に運んだ。そしてモグモグと口を動かすと、目元の力がふにゃっと抜けるのが分かった。
「やば……ごっつ美味い…」
『ホント?!良かったぁ〜!』
淳の〝ごっつ〟は最上級であることを知っている。これは相当気に入って貰えたようだ。
「春キャベツって柔らかいなぁ。色も綺麗やし、ええね」
『そうなんだよ〜。季節の野菜って何か良いよねぇ』
「柔らかくてふわふわしとって、名前みたいやなぁ」
『うっ……やっぱこのお腹ヤバいよね…』
私が作ったご飯で淳が喜んでくれる。そして会話が弾む。これ以上幸せなことなんてあるだろうか。
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