本命のホワイトデー
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『ね、開けてもいい?』
「良いけど、笑うなよ?これが精一杯だったんだ」
笑う?おもしろ系のお菓子か何かなのだろうか。何にせよ越野くんに貰った物なら、それだけで嬉しい。そう思いながら包装を解いていくと、中には形も大きさも不揃いなクッキーが入っていた。
『えっ……も、もしかして越野くんが作ったの…?』
「…本命だから、な」
『凄ーい!手作りのお返しなんてあんまり聞いたことないからビックリしちゃった』
「え、そうなのか?!」
何故か驚く越野くんは手作りをした経緯を説明してくれた。そして、仙道くんに騙されたと気付いたらしい。
「アイツー…やっぱりバスケ以外は信用ならねぇ…!」
『えー、でも私は嬉しいよ。一生懸命作ってくれたんでしょ?幸せすぎるよぉ〜』
そう言うと越野くんは耳まで真っ赤になりながら、小さく頷いていた。仙道くんの冗談を本気にしてしまったことが恥ずかしいのだろうか。でもそういう所も好きなんだよなぁ…。そう思うと妙に愛おしくなり、私は思わず越野くんに抱きついた。
「お、おい!ここ学校っ…!」
『だってめちゃくちゃ嬉しいんだもん…。越野くん、ありがとう。大切に食べるからね』
「…おう」
越野くんの腕が私の背中に回り、見上げるとさっきよりもさらに真っ赤な越野くんの顔があった。思わず微笑むと、額に優しくチュッと音を立ててキスが振ってくる。
『が、学校だよ?!』
「…悪い。可愛すぎて我慢出来なかった…」
そう言われ、今度は私の方が真っ赤になっていた。もう幸せ過ぎてどうにかなってしまいそう…。
越野くんが作ったクッキーはさっきの私たちが過ごした時間に負けないくらい甘くて、ほっぺたがジ〜ンと疼いた。
一口食べる度に思い出しては幸せを噛み締め、思わずニヤけてしまう。
仙道くんに感謝しなきゃね。
今度は二人でクッキーを焼こうかなぁ。
おわり
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