春、見つけた。

春、見つけた。(土屋ver.)

※事後シーンです。苦手な方はブラウザバックをお願いします。


「しんどない?何か飲む?」


衣服を一切身に付けず、肌と肌をぴったりと寄せ合いながら、私は淳の腕枕に身を委ねる。


『ん…平気。水飲む』


ベッドから起き上がり、フラフラと冷蔵庫に向かう。汗で髪の毛が首にまとわりつくのが気持ち悪くて、持ち上げながらペットボトルの水をグビグビと飲んだ。


「僕にもちょーだい?」

『うん。待って、新しいの出す』

「これでええよぉ」


隣りに立った淳は私の飲みかけのペットボトルを取り上げ、同じようにグビグビと喉を鳴らして水を飲んだ。


「あれ…?桜が咲いとる」

『へ…?嘘ぉ?』


淳に言われ、窓の外を見ても桜なんてどこにも見えなかった。そもそもこの部屋から桜なんて見えた事が無い。


「ここ、跡が桜の花びらみたいになっとる」


淳は私の頸に指を這わせながら、嬉しそうにそう言った。鏡で見てみると、紅い跡がくっきりと付いていて、確かに桜の花びらみたいに見えた。


『もー…髪の毛アップに出来ないじゃん』

「ええやん、別に見せつけたったら」

『ハァ…困った花咲か爺さんだこと』

「えー?枯れ木になんかさせへんよ?」


春、見つけた。


その後、愛たっぷりのキスが再び私の身体中に降ってきたのは言うまでも無い。



おわり

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