アメいっぱい
NAME CHANGE
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当たり前のように名前は僕の隣に座り『熱いで』と言ってマグカップを手渡す。
猫舌の名前がフーフーと一生懸命コーヒーに息を吹き掛ける姿も、僕は大好きだ。
「そんなに冷ますんやったら、もう少し置いてから飲めばええのに」
『熱い方が匂いがぽわ〜んと出てきて、ええやん』
と、まだ一口も飲めていないコーヒーとにらめっこをしている。
フッと微笑み、僕は再び雑誌に視線を落とす。
『暗ない?目悪なるで』とレースのカーテンを少し開け、名前は窓の外を眺める。
『あー、雨ってホンマ嫌やな。この曲みたいになれば良いのに』
「この曲みたいって?」
『ただの水より、アメが降ってきた方がええやん。サビ、そんな歌詞やったやろ?』
「…そうやった?調べるわ」
携帯を取り出して歌詞を検索し「ほれ」と画面を見せる。
『うっそ!私、今までずっと〝夢見ることなら飴いっぱい〟やと思っとった…』
「キャンディが降ってくると思っとったん?」
さっきまで静かに外を眺めていた大人の女性とは別人のように、子どもみたいに嘆く名前も僕は大好きだ。
心の絵の具があふれ出す ※
(飴やったら、新喜劇に行けば降ってくるやろ〜)
(あんまファンタジー感ないけどな)
※「ゆめいっぱい」関ゆみ子 より
おわり
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