夏休みの終わりに
NAME CHANGE
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「…キスしたことないんか?」
『なっ…!無い…よ…』
ふぅん…そうか。それなら話は早いな。
「ほな俺が教えたるやん」
『えっ…烈はしたことあんの?』
「…まぁ一応」
『そ、そうなんや……』
「……したことないと思っとった?」
『……よう分からん』
名前は少し拗ねているように見える。そうやって顔に出るところはまだまだ大人とは言われへんで?そう思いながら俺はゆっくり名前の顔を覗き込む。
「…ほな、俺が最初のキス貰ろてええ?」
名前は少し黙り、その後キュッと唇に力を入れてゆっくりと頷いた。何かを覚悟したかのようだった。
「ブッ…アハハハハ!そんな顔されたら出来ひんやろ」
『えっ?!ど、どんな顔しとった?!』
名前は顔を真っ赤にして慌てている。こういう所も昔から変わっていない。
そして、昔から好きだった。
別に大人になりたい訳じゃない。
可愛げのない言い方だったかもしれないけれど、要は名前の隣りを並んで歩きたかっただけなんや。
それがガキの頃からずっと言えなかったんだよな。
俺もあの頃から何も変わってないのかもしれない。
次こそちゃんと言えますように。
名前が願いを掛けた青色の爪に、俺も密かに願いを掛けた。
終わりがようやく見えた気がした。
おわり
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