夏休みの終わりに
NAME CHANGE
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『…烈、なんや大人になったなぁ』
そう言う名前は感慨深そうにしている。いつもなら「年上っぽいリアクションすんな」とかそんなのを言って終わってしまうようなことなのに、今日はどうにもそういう気持ちにはなれなかった。
「ほなお前はもう大人なんか?」
『え…?』
「俺とお前と、そんなに何がちゃう?何でいっつも俺はガキ扱いなん?」
『つよ……っ…』
俺は名前の手首を掴んだ。名前は驚いたのか大きな目で俺を見上げている。黙って目を見ると、名前の頬がポーッと紅くなっていくのが分かった。
『い、痛いよ…』
「あぁ…悪い……」
ゆっくり手を離すと名前は俺が掴んでいたところをさするようにして恥ずかしそうに俯いている。
『べ、別に烈のこと子ども扱いしとるつもりは無かった。烈がそこまで気にしとる事も気付けんかった…。ホンマごめん…』
「いつでも何でもお前が先に進んでまうのが何ちゅーか、ムカつくねん」
『そ、そんなん言われもしゃーないやろ?学年の区切りっちゅーもんがあんねんから。私やって、出来ることなら烈と同じ宿題やりたかったよ…』
名前はそう言うと再び頬を染めた。あれ、何やコイツこんなに可愛かったっけ…?
自然と手が頬に伸びる。赤いくせにあまり熱くないのが不思議だ。
「…可愛えな」
『えっ…?!』
ダメだ。もうただの幼なじみってやつには戻れない気がする。いや、戻るも何も俺は初めから名前を恋愛対象として見ていた気がする。そう分かると、今度は感情の高ぶりをコントロール出来そうにない。
「…キスしてええ?」
『えっ…ちょ……烈…ど、どないしたん…?』
「お前が可愛えのんが悪い」
『えっ…何?ドッキリやろ?!天井からバスケ部の子がバーン出てくるんやろ?!』
何でやねん。出て来られてたまるか。
それにしても名前のこの焦り様は予想外だった。これはもしかして…。
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