The rarest encounter
NAME CHANGE
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「第一弾がコンプ出来なかったから第二弾は絶対にコンプしたかったんだピョン」
『そうなんだ。私はね、第一弾コンプしたよ』
そう言うと深津くんの目つきが急に変わった。何というか、真剣になった。あれ、何だろう…かっこ良いかも…。
「…レアの蓄光のやつも持ってるのかピョン?」
『う、うん。持ってるよ。夜眠る時電気消すとぼわ〜んって光ってて癒されるよ』
まさか深津くんとこんな共通の趣味があるとは思わなかった。こういう話が出来る人が今までいなかったから、素直に嬉しかった。
「…レアのやつ、見せて欲しいピョン」
『あ、うん!良いよ!じゃあ今度学校に持って行くね』
「いや、今すぐ見たいピョン」
『へ…?今?』
今ってことはこれから家に来るってことだよね…?いやいやいや…さすがに部屋に二人はマズくない?!でもレアを見たいっていう深津くんの気持ちは痛い程分かるし…。
頭をフル回転させて考えていると、深津くんが少し寂しそうに口を開いた。
「…ごめんピョン。デリカシーが無かったピョン」
『あっ…えっと……そうだ!深津くん、お寿司好き?』
「寿司?好きピョン」
『うちの近くに回転寿司があってさ、今日ガチャやろうと思ってたのに出来なかったから、お寿司屋さんのガチャやりに行こうかなーって。途中で家に寄ってレアのグソクムシ取ってくるよ!それなら見られるでしょ?』
「回転寿司のガチャって、もしかして〝黄昏のギョジン〟かピョン?」
『そうそう!え、知ってた?私アレも好きなんだよね〜』
「…名字さんとは趣味が合うピョン。こんな女の子、初めてだピョン」
そう言って、深津くんはふんわりと柔らかい笑顔を見せた。見たことのないその表情に思いっきりときめいてしまった。
あれ…?ヤダ……やっぱかっこ良い…。ウソウソ…どうしよう…!何か始まっちゃう…?
今自分がどんな顔をしているのかは分からないけれど、考えている事を悟られないようにしなければ…!違う違う。深津くんはそういう意味で言ったんじゃないって…!
「…名字さん」
『えっ?な、何?』
「俺、名字さんともっと仲良くなりたいピョン」
深津くんの優しい目が私をしっかり捉えて離さない。もうこれは何かが芽生え始めたと認めざるを得ない。
『わ、私も…同じ気持ち』
「嬉しいピョン」
またフッと柔らかく微笑んだ深津くんに、今度は完全にノックアウトされてしまった。
今度は市街地のガチャ専門店に一緒に行ってみない?
そう言えるようになる日が、来ると良いなぁ。初めて歩く深津くんの隣りで、そんな事を考えていた。
お目当てのガチャは無かったけれど、それがきっかけで何かが始まろうとしている。
レアのグソクムシを引き当てるより、ずっとずっと凄い確率だったりして。
おわり
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