最高に綺麗な花火の見方
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歩いていくと、少し先にベンチを見つけた。清田はまだ気付いていないようだ。
『ねぇ!あそこ、ベンチあるよ!』
「ん?どこ?」
『ほら!あ……』
あっち、と言おうとしたその時、パーッと光に包まれた。空を見上げると、ドーンという音とともに大きな花火が咲いていた。小さな光がキラキラと溢れるように消えていく。そして次から次へと夜空が華やいでいった。
『うっわぁ……!綺麗…!』
思わずそう溢す程、見惚れてしまっていた。毎年見ているはずなのに、花火はいつだって綺麗で、いつだって感動をくれる。
清田みたいだと思った。
そんな人が、こんなダメな私を好きになってくれるだなんて考えてみれば凄く不思議だ。
私は何だか切ない気持ちなり、夜空を見上げながら清田に聞いてみた。
『…清田はさ、いつから私のこと好きだったの…?』
「ハァ?!何だよ、いきなり…」
『そういえば聞いたこと無かったなぁって思ってさ』
心情を悟られまいと、またおちゃらけを繕ってしまった。しかし清田は照れているのか、少し赤くなっていた。そして少し黙った後、話し始めたと思ったらまたドーンと大きな音とともに夜空に光の花が咲き、言葉がかき消された。
「……だよ!」
『え?何て言った?聞こえなかったよ!』
「……一回しか言わねーよ!」
清田は耳まで真っ赤になっていた。あぁ、もう…やっぱりいつもドキドキさせられちゃうんだよなぁ…。
『あっそ!良いよーだ』
「そーですか〜」
やっぱりふざけて終わってしまったけれど、本当はちゃんと聞こえてた事は内緒にしておこうかな。
「初めて会った時からだよ!」
嬉しいな。
私も一緒だよ。
そう素直に言える日がくるまで、ずっと隣りにいてよね?
憧れの夏祭りデートで分かったことは、大好きな人の背中の上で見る花火が最高に綺麗だということ。
清田と私だから、見えた景色だもんね。
ほらまた、光の粒が溢れ落ちていく。
おわり
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