最高に綺麗な花火の見方
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今夜は夏祭り。花火なんかも上がって大人から子どもまで結構楽しめる。毎年ダチや家族と行っていたが、今年は初めて彼女の名前と行くことになっている。いわゆる、夏祭りデートってやつだ。そんなの人生で初めてだし、ていうか彼女が出来たのも初めてだし、とにかく舞い上がらない訳がない。
お盆に親戚の集まりに強制参加させられたが、俺は貴重なオフを全部名前と過ごしたかった。だから今日の夏祭りはめいっぱい楽しんで、名前と夏の思い出を作ってやる!と、休みの間はもちろん、待ち合わせ場所に着いてからもずっと考えていた。
目の前をどんどん人が通っていく。子どもたちはめちゃくちゃはしゃいでいるし、イチャイチャくっつきながら歩くカップルもいる。こんな地元の祭りでも、結構人が行くんだなぁ…なんて一瞬気を抜いた時だった。
カラン…コロン……カラン…コロン……
鈴のような音が遠くから聞こえ、どんどんこっちに近付いている。気になって目を向けると、その音の出どころが愛しい彼女だと気付く。
(えっ…?!うわ……ヤベー!浴衣じゃん…!えっ…可愛すぎんだろ…!)
名前が浴衣を着てくるだなんて考えてもいなかった。いつもと違って上げている髪も色っぽくて、どんなリアクションを取ったら良いのか分からなかった。そして名前は俺の前で立ち止まり、少し恥ずかしそうにしていた。
『お待たせ』
「おー」
『ど、どうかな…浴衣…』
褒めて欲しそうな、でも自信なさげな、そんな名前が可愛くてたまらない。
「…すっげーかわいい」
『ほ、ほんと?!えー…嬉しい…』
「…行こーぜ。花火見る場所、無くなっちまう」
『うんっ!』
手を差し出すと当たり前のように繋がれることにようやく慣れてきたというのに、まだまだ知らないことが多いのかもしれないな…。
俺は幸せ者だと思った。
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