最高に綺麗な花火の見方
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子どもの頃から浴衣を着て夏祭りデートに行くことにずっと憧れていた。
それが今日、ついに叶う。
少し前に彼氏が出来た。同級生の清田だ。明るくて元気で一年なのに強豪バスケ部でも活躍している自慢の彼氏。一緒にいるだけで楽しくなってしまうような、そんな人だ。
部活で毎日遅くまで練習し、姿を見られるのはそれ以外の時間だけ。それでも一緒にお昼を食べたり、休み時間に話したりと私たちなりに工夫して時間を作っている。寂しくないと言えばウソになるけれど、バスケをしている清田が世界で一番かっこ良いと思うから、今のままで充分幸せだった。
つい先日、バスケ部はインターハイ準優勝という華々しい成績を持って帰ってきた。そしてなんと一週間の夏休みが与えられたのだ。お盆のため親戚の集まりなどがありなかなか会えなかったが、今夜の夏祭りに一緒に行こうと言ってくれた。そんな訳で、長年の夢が叶う時が迫っているのだ。
浴衣は小さい頃におばあちゃんが仕立ててくれた物を着る。紺地に淡い青で蜻蛉が描かれていて、夏の終わりを思わせるようなその柄が大好きだった。この浴衣が似合う女の子になりたくて、でも結局そのために何かした訳ではないのに、いざ着てみるとよく似合っていて驚いた。おばあちゃんには未来が見えていたりして…なんて考えながら、お母さんに着付けて貰った。
髪は雑誌の浴衣特集のページから見様見真似で結い上げた。でも結局上手く出来なくて、これもお母さんにやって貰った。最後に「デートなんでしょ?」と聞かれ、いつもの私なら全力で否定するのだが、この日は何故か素直に『うん』と言えた。お母さんも少し驚いていたけれど、何だか嬉しそうだった。
帯に合わせ、赤い鼻緒の草履を履く。あー、ペティギュアもすれば良かった…。そこまで頭が回らなかったな…。
最後に姿見で全身をチェックし、いざ出発!!
歩くたびに、カラン、コロンと可愛らしい音が足下から生まれる。自分の気持ちを表しているようで、何だかこそばゆかった。
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