Have to say ...
朝起きて仕事に行き、ヘトヘトになって帰ってきて、気付けば寝なければならない。本当はもっと本を読んだりお酒を飲んだりしてのんびり過ごしたいのに、早く寝なければ明日に支障が出てしまうから仕方なくベッドに入る。そんな日々を過ごしていた。
髪の生え際はもう何センチも黒くなっていた。そろそろ美容院に行きたいな、と思いつつも何だかんだで休みを取れずにいた。トイレで手を洗う度、伸び切った髪を何とか誤魔化すのが憂鬱だった。
部長のよく分からない武勇伝が遠くの方で聞こえるこのデスクで、ただひたすら仕事をこなす。仕事ってこなすものだっけ?こんな毎日が待っているだなんて、入社当時の私が知ったら絶望するんだろうな…。そう思いながら、最後の確認を終え、資料を課長に提出した。
『それじゃ明日はお休みを頂きますので…』
小さくそう言うと、課長はこちらを見もせずに「はいよ。お疲れさん」と言い放った。だから『思ってもないくせに』と言ってやった。…心の中で。
私、ずっとこうやって生きていくのかな…。
そんなネガティブの海に肩まで浸かったところに、やっとの休みだ。明日は待ちに待った3ヶ月ぶりの美容院なのである。柄のシャツも欲しいな。それからずっと行きたかったあのカフェに行って…なんて気を抜いていると、急に疲れてきた気がした。早く帰って休もう。
この日は帰ってシャワーを浴び、吸い込まれるようにベッドに入って眠りについた。
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